ニセコの森に、白い道ができました。
Share

ニセコの森に、白い道ができました。
緑の中に、貝殻の白。
初夏の光が、足元で散る。
森に入った子供たちが、しゃがみこんで、貝殻を拾いはじめる。
森と海がつながった、ひとつのかたち。
道という人間の領域をつくることで、森の領域はひろがる。
矛盾しているように聞こえるかもしれない。
けれど、森と長く付き合うとは、そういうことだと思っている。
道を一本、通す。
車一台分の幅で、十分。
そのかわり、そこを起点に、森全体が見渡せるようになる。
歩ける場所ができることで、森は「眺める対象」から「過ごす場所」に変わる。
海と、森と、土。
ニセコの土は、粘土質だ。
雨が降ると、足元はぬかるみ、長靴がなければ森には入りづらい。
そこに、ホタテの貝殻を敷いた。
北海道のもう一方の一次産業から出る、行き場のない殻。
それが、森の道になる。
海と、森と、土。
別々のものが、一本の道の上で出会う。
スニーカーで、森に入れるようになった。

壊れない道という思想。
自伐型林業には、「壊れない作業道」という技術がある。
重機でただ削るのではなく、地形と水の流れを読み、土を活かして道をつくる。
この道は、台風が来ても、雪解けが来ても、流れない。
何十年と、森に残る。
そして、伐採は最小限に抑える。
道に必要な分だけ、木を倒す。
だから、森の領域はほとんど失われない。
今回、株式会社ニセコまちが管理する山林に、この方法で道を敷きました。
10年に一度の、森との関係。
道が通れば、間伐ができる。
間伐をすれば、木が運び出せる。
木が運び出せれば、森は健やかに育ちつづける。
およそ10年に一度、このサイクルを繰り返す。
森を失わずに、木を使いつづける関係。
森が、自分の庭になる。
実は管理した森は、林業をしない時間のほうが、ずっと長い。
その時間、この道は、別のものになる。
たとえば仲間とキャンプをする場所。
サウナを組み立てる場所。
山菜やきのこを探す場所。
ひとりで、ただ歩く場所。
車で森の奥まで入れる感覚は、はじめての人にとっては、ちょっと感動的ですらある。
森が、お庭になるような。こんな裏山があったらいいなとおもいませんか?

森で、何かしてみたい人へ。
HIKOBAYUは、森林整備の相談を受けています。
道を入れたい。
間伐をしたい。
森を、もう一度、自分の手の届く場所にしたい。
そんな相談があれば、お声がけください。
森を整える機会をくださった株式会社ニセコまちに、感謝しています。
HIKOBAYU Director 澤田健人は、ニセコ町から自伐型林業をはじめ、現在は北海道自伐型林業推進協議会の副代表を務めています。2017年からの研修参加者は、のべ500名を超えました。
北海道の森に、新しい担い手が、静かに増えています。
HIKOBAYU